整骨院で不正請求事件が起こるわけ。

先日、このようなニュースがありました。

内容としては交通事故の治療で通院したと偽り治療費をだまし取ったとして詐欺の疑いで逮捕された事件なのですが、ここで気になるのは整骨院の院長だけでなく事故に遭った患者も逮捕されているという事です。
何故交通事故の被害者である患者も一緒に逮捕されてしまったのでしょうか？
これは交通事故での自賠責保険などの治療金額の基準が関係します。

●通院しないと払われない治療費や慰謝料

実は私、整骨院での勤務の経験がありますので交通事故の治療（自賠責保険）についてはある程度は知っている人間ではあります。
今ですと事情も変わっているかもしれませんが、今回こんな話をする以上、多分整骨院関係の方には嫌われるかもしれませんね。
それはさて置きまして、まず見ていただきたいのがこの自賠責保険の支払い基準の表なのですが、これの傷害（ケガ）の場合。
治療費については必要かつ妥当な額、そして慰謝料については入通院1日につき4200円（【実治療日数×2】と【治療期間】のどちらか少ない方で計算）と記載されております。
治療費に関しては必要かつ妥当な額とあいまいに書かれておりますが、これは各症状（むち打ち症や骨折）などで費用が違いますので、このような形で表記しています。しかし実際の金額は普通の病院や整骨院などでの治療費より高額となっているはずです。
また日数が重なるとその分治療費も重なりますので自然と高額になっていきます。
その他にも被害者である患者に支払われる慰謝料。
週3回ですと12600円ですが、週5回ですと21000円、4週間ですと84000円になります。

ニュースで上げた金額は治療費も含めて52万円、半年近くは通院していたことにしていたことにしていたと思いますがニュースの内容では通院したと偽ってと書かれていますので多分もっと少なかったか通ってなかったのかもしれませんが、その間当事者の二人は何もせずにお金をもらっていたという事になりますね。

●不正請求の誘惑

このように整骨院にとって金額も大きく、患者にとってもお金が入る交通事故治療。
本来は交通事故で傷つき、苦しんでいる人のために手厚い治療を行うために行なわれているものです。
その為に多くの整骨院や病院は患者の為に日夜いろんなことを勉強してますし、日々治療や施術に尽力しております。
しかし、人によってはこれを金儲けの手段にしてしまう人もいるわけです。
患者と整骨院側が共謀して架空の通院を記載することで患者は慰謝料を、整骨院は治療費を多く請求し、だまし取る。
win-winの関係？みたいのが生まれてしまったのだと思います。
今回の件は余罪もあることから以前より同じことを繰り返していた結果マークされていて、立件されたのでしょう。
架空の請求はとても簡単にできると思われますが、最近の立件の多さからみて保険会社も厳しく見ていると思います。
もしやったとしても見つかれば、被害者は慰謝料をもらえず、整骨院も治療費をもらえず、最終的には逮捕される。
良いことなんて何もありません。もしそのような話を振られたら、すぐに違う整骨院や病院に移りましょう。
うちでも信頼できる整骨院を紹介することは出来ます。

ちなみにうちは保険とか一切関係ない所ですの不正請求とかのお話は一切ありません。
病院や整骨院の治療で足りないと感じたり、不安になったら遠慮なくご相談ください。
そこがどんな目的でどんな治療をしているのかを説明したり、何か問題があったら転院のアドバイスくらいは出来ると思います。